対岸の彼女

対岸の彼女

働きにでることにした主婦・小夜子と 女社長・葵
ふたりのおんなのひとが こころを通わせていくようすが 書かれていた
小夜子の現在と 葵の高校時代が 交互に書かれている
ふたつのストーリーは さいごのほうで繋がる 巧いなあ
葵の高校時代のストーリーが よかた
葵の親友である ナナコという女の子の言葉に 考え込んだりした
自分の大切なものはなんだろう? というようなことに 思い巡らせた
ナナコが抱えているような空洞を わたしも持っているのかもしれない
ふるい淡い記憶 とうに失ってしまったもののこと
何を見ても 誰に出会っても 埋まらないこころの穴のこと
何も選べない どこにも行かれない 不自由さのこと
いろいろ考え込んじゃって すこし泣けた
P226〜227あたり ナナコを駅まで送ったあとの タクシーのなかの描写は じんわり泣けた