潤一

潤一

連作短編集 10のおはなしが収録されているのだったが
1章から9章までは それぞれちがうおんなのひとが主人公で
映子(30歳) 環(28歳) というようなタイトルがついている
14歳から62歳まで 年齢も境遇もさまざまなおんなのひとたちは もれなく潤一と出会う
どのおはなしも 『私が潤一と会ったのは…』 というふうにはじまる潤一の思い出話なのだった
そうして 10章目は 潤一(26歳) というタイトルで 潤一自身の述懐になっている
あちらのおはなしと こちらのおはなしが つながっていたり
さいごにちょっとした種明かしがあって謎が解けたり なかなかおもしろかた
以前読んだ 川上弘美さんの『ニシノユキヒコの恋と冒険』*1 と おはなしのつくりが 似通っていた
このようなしくみの 連作短編集というものが とてもすきだ だいすきだ

*1:id:butterflyknife:20041216#p1