ズームーデイズ

ズームーデイズ

ズームーは三島由紀夫に似ていた。

印象的な一文ではじまる小説 さいごまで愉しく読めた
8歳年下の ”ズームー”という男の子と暮らした 7年間の物語
とちゅう 大腸がんにまつわるおはなしのあたりは どうにも読んだ覚えがあって
ぐーぐるさんに訊いてみたら 『ヌルイコイ』 にも おなじようなエピソードがあったんだった
井上荒野さんは やけに大腸がんに詳しいのだなあ とおもったら 実際にお父さまを大腸がんで亡くされていた
この物語の主人公は小説家で 父親も小説家という設定で 父親は大腸がんで亡くなる
現実の井上荒野さんと そっくりおなじなので もしかしたらこれは私小説なのかしら などと 勘ぐってしまった
無論 創作なのだろうけれど やけにリアルな描写に どきどきしてしまう
”35歳 子供を産めるタイムリミットがもうすぐ来ちゃう” というおはなしのあたりは たいへん身につまされる
それから 顔にマッサージクリームかなにか 塗りたくって お手入れしたくなった
井上荒野さんは やっぱりおもしろいなあ

ヌルイコイ

ヌルイコイ