どこから行っても遠い町

どこから行っても遠い町

連作短篇集
あちらのおはなしにでてきたひとが こちらのおはなしにもでてくる
読みすすめていくほどに 町のようす そこに暮らすひとびとのようすがわかってきて たいへんおもしろかった
『長い夜の紅茶』にでてくる時江の 人生に対する姿勢は 大いに共感するところがあった
『四度めの浪花節』は べつだんかなしいおはなしではないのだけれど
読んでいたら なぜだか はらはら涙がこぼれた
くっついたりはなれたり繰りかえす 男女のようすに 呼び覚まされる記憶があったのかもしれない
『あたし、廉ちゃんが、ほんとに、好きだったから』 という台詞が よかったのかもしれない