ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね

ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね

文章がわかりづらくて
なぞなぞを読んでいるような心持ちになった
息継ぎとゆうか文章のリズムとゆうかそうゆうのが合わないぽい
どうにも読むのがむつかしかった
がんばって読んでいたらさいごのほうはちょとおもしろくなってきた

 空のバスケットを抱えて右側の小道を遠くなる女の子の後姿をしばらく見送りながら二人はいつも出逢った人と別れるときに感じるたよりなさの中に立っていました。「もうこの人と二度と逢うことはないんだろうなぁ」という漠然とした、でも確実に当たってしまう予感。はずれるときもありますがたいていそれは”当たり”なのです。でも実際のところはそんなことは誰にも分かりっこないことです。もしかして五十年後おのおのの理由で自殺するために登ったエンパイヤ・ステート・ビルの屋上のベンチでお互い隣り合って座る、なんてことが起こらないとは限りませんし。そしてそのときにお互いを覚えているかどうかということはまた別のことなのですから。
― P138